先日出版いたしました都会で撮る 星の軌跡の撮影術 〜はじめて撮る人から上級者まで比較明合成による撮影の完全ガイドという本では、全編に渡って星の軌跡の撮影の仕方を紹介しております。この記事では、一眼カメラにおける星の軌跡の撮影方法を簡単にご紹介します。
出発前の準備
撮影に行くかどうかを決める
まずは撮影地をどこにするか決めます。今回は、東京の有明北緑道公園で撮影することに決めました。ここは歩道も広く、人通りもほとんどなく、場所も暗く、撮影条件がとても良いという側面に加え、レインボーブリッジと東京タワーも撮影可能で被写体にも恵まれたスポットです。一方で、駅からとても遠いのが難点です。
夜に晴れそうかどうかを SuperCWeather というサイトで確認します。 雲が出そうであれば白色や青色で表示されますが、有明付近は真っ黒なので晴れそうな予報になっています。ちょっと周りが雨っぽい感じなので安心というわけではないのですが、ひとまず行ってみる価値のありそうな予報です。
次に、月齢も確認しておきます。月齢は国立天文台のサイトで確認すると良いでしょう。 ちょうど撮影方向に月が落ちる予報になっているので、月の入り直前に現地につくように計画を練ります。
自宅からどのように行くか、何時が終電になるか、といった情報も予め Google Maps などで調べます。今回は豊洲駅まで電車で行って、そこからシェアサイクルサービスで現地のそばまで自転車で行くことにしました。
荷物を用意する
では、撮影の荷物を用意しましょう。撮影に必要な機材は、カメラ、レンズ、三脚(+雲台)、レリーズ、のみです。 今回は、カメラに α7R IV を使用していますが、レンズはお手頃な Tamron 28-200mm F2.8-5.6 を使用しました。このレンズは便利ズームですが、ズームにしては相当良い画質でお気に入りです。三脚は Leofoto の LS-324C を、雲台に同じく Leofoto の LH-40R を(付属のクイックシューも写しています)、レリーズは中国から通販で買ったブランドもイマイチわからないものを使っています。
カメラの設定をする
現地で設定をしてもいいのですが、自宅で出来る設定を先にしておいたほうが現地で慌てなくてすみます。現地で何をするかのシミュレーションにもなるので、今回は自宅で出来る設定を先にやってから出発することにしましょう。なお、設定の写真は α7R IV 特有のものですが、お持ちのカメラでも似たような設定項目があると思うのでマニュアル等を参考にしてみてください。
連写設定にする
まずは連写の設定にします。このカメラの場合は、ドライブモードから「連続撮影: Hi+」を選びます。これでレリーズを押しっぱなしにすれば連写で撮影してくれます。
マニュアルフォーカスにする
マニュアルフォーカスに設定します。星の軌跡の撮影はマニュアルフォーカスで行います。
ホワイトバランスを設定する
ホワイトバランスは現地で設定した方がよいのですが、今回はここで設定します。カスタムで 3600K にしましたが、プリセットの電球など、気に入ったホワイトバランスを何でも良いので適当に選んで良いです。ただし、オート(AWB)は駄目です。撮影中に設定が変わってしまう可能性があるためです。
長時間ノイズリダクションをオフにする
長時間ノイズリダクション(画面では長秒時NR)をオフにします。連写時に毎回ノイズリダクションが始まってしまうと、まったく連写できなくなります。必ずオフにしましょう。
静音モードをオンにする
もし可能であれば、静音モードをオンにしましょう。このカメラの場合はサイレント撮影という名前で静音モードが用意されています。静音モードが使用出来なければ仕方ありませんが、使用出来るなら是非設定しましょう。設定しないと連写での撮影時に毎回シャッターが動くことになってしまうので、その時間の撮影が途切れてしまいますし、シャッターの耐久度にも影響が発生してしまいます。
出発
設定が終わったら、機材をカメラバッグに詰めて出発です!この記事の続きはこちらです
なお、本記事で紹介している数々の設定や、撮影に適した場所などの話は、こちらの書籍で詳しく紹介しています。もし興味を惹かれましたら、是非お手にとって頂ければ幸いです。