Kihira's テックカメラ

カメラ関係の知識・ノウハウなどの公開や、自分の作例や撮影に関する雑談など

初心者のための一眼カメラ選び(毎月更新目標)

2019年10月3日更新

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この記事は、初めて一眼カメラを買おうと思った方を対象に書いております。携帯カメラより良い写真を撮りたくて一眼カメラに興味を持った方にとって、一眼カメラでは急にわけのわからない言葉がいっぱい出てきて、あっという間に混乱するのではないでしょうか?

ここでは、「一眼カメラを買おう!」と思っている人向けに、カメラ選びに最低限必要な情報だけをまとめることを目的にしています。最低限でもこんなにあるの…と思われるかもしれませんが、カメラは安い買い物ではないので、ぜひ一通り目を通してもらえれば嬉しいです。

カメラ界隈は動きが速いので、この記事は毎月更新したいと思っています。コメントなどあれば、ぜひ Twitter までご連絡ください。

まず結論!

とりあえず結論だけを先に書くと、現時点で初心者の方にお薦め一眼カメラは、

  • マイクロフォーサーズ
    • オリンパス Pen E-PL8 / E-PL9
    • オリンパス OM-D E-M1 mk2
    • パナソニック Lumix G9 pro
  • APS-C
    • ソニー α6600
    • 富士フイルム X-T30

です!

これだけでは、さっぱり意味がわからない…、という方がほとんどだと思うので、出来る限り簡単に説明をしたいと思います。

一眼カメラとは?

まずそもそも一眼カメラとは、「レンズが交換できるカメラ」です。レンズが交換できれば一眼カメラです。よく比較されるコンデジ(コンパクトデジカメ)は、「レンズが交換できないカメラ」の総称です。

レンズが交換出来ると、状況に応じて色々なレンズを使い分けることが出来ます。カメラ本体よりもレンズの方が大事だ、とよく言われるほど、レンズはとても重要です。なのでレンズを自由に選べる一眼カメラの人気が高いのです。

一眼レフとミラーレス一眼

一眼カメラといえば一眼レフ、ミラーレス一眼はおもちゃみたいなもの・・・、と言われた時代もありましたが、今はミラーレス一眼も相当な高性能になってきております。

そもそも一眼レフの「レフ」とは何かというと、カメラの中に入っている鏡のことを言います。昔はファインダーから景色を見るためにカメラの中に鏡を入れて対応しておりましたが、最近の技術進歩によって、鏡が無いカメラを作れるようになりました。鏡がないから「ミラーレス」と呼ばれるのです。

一眼レフとミラーレス一眼にはそれぞれメリット・デメリットがあるのですが、近年の技術進歩により、ミラーレス一眼のデメリットが現在進行系で薄くなっています。最近はカメラメーカー各社ともにミラーレス一眼に注力しつつあります。よって、特にこだわりがないのであれば、これからカメラを始める方には「ミラーレス一眼」をお勧めします。

一眼レフとミラーレス一眼の違いついて、技術的な話にしぼって後日執筆予定です。

センサーサイズ

次にカメラで重要なのが、センサーサイズです。センサーサイズとは、光を集めるセンサーの大きさのことです。センサーは昔のカメラのフィルムみたいなもので、カメラの中でもとても大切なパーツです。センサーは大きい順に「フルサイズ」「APS-C」「マイクロフォーサーズ」という規格があります。

センサーサイズの特色を簡単に図にまとめてみました。

   描画 値段 重さ
マイクロフォーサーズ 良い 高い 軽い
APS-C 結構良い 結構高い そこそこ重い
フルサイズ ものすごく良い ものすごく高い 重い

マイクロフォーサーズは、軽くて性能が良く値段も(比較的)落ち着いていて、初めての一眼カメラに最もオススメです。小さく持ち運びやすいマイクロフォーサーズはバックやポケットの中に簡単に入るので、日頃から気軽に持ち出せます。カメラの腕を上げるためにはたくさん写真を撮るのが大切ですが、その目的に合致するので、初心者にピッタリでしょう。

APS-Cは、ちょうど中間のカメラです。マイクロフォーサーズよりも良い描画になることが多く、特に背景などがボケた写真を撮りたい場合にはマイクロフォーサーズよりも効力を発揮します。マイクロフォーサーズより少し重くて大きく、カメラやレンズの価格も少し高いですが、撮りたい対象によっては良い候補になると思います。

フルサイズは、初心者の方にはあまりオススメしません。カメラ自体は安いものもあるのですが、レンズがどうしても重く高価になってしまいます。覚悟を持って購入する必要がありますが、カメラを続ける固い意志があり、購入資金に余裕があり、撮りたい対象がフルサイズに向いているならば、いきなりフルサイズという選択肢もあるとは思います。

レンズマウント

さて、初心者にとって難解なものの一つに「レンズマウント」というのがあります。一眼カメラは、対応した規格のレンズでないと装着できません。その規格のことを「マウント」と呼びます。

注意しないといけないのは、同じ会社の作っているカメラとレンズでも、マウントが違うことがあります。特に、一眼レフとミラーレス一眼では同じ会社でも大抵違うマウントになります。違うマウントのレンズを使う方法があることもありますが、初心者の方にはオススメしません。

最初に買うカメラのマウントはとても大切です。カメラを買うとレンズも購入することになりますが、次にカメラを買う時もせっかく買ったレンズが使えるカメラを選ぶことになるので、必然的に同じマウントのカメラ・レンズが揃っていくことになります。マウントは時代と共に新しいものに変わっていくので、将来性のないマウントを選んでしまうと、徐々にそのマウントのカメラやレンズが発売されなくなってしまいます。

オススメのカメラ紹介

では実際に、オススメのカメラを紹介していきましょう!

マイクロフォーサーズのカメラ

マイクロフォーサーズは、複数のカメラメーカーが共同で同じマウントを採用している珍しい規格です。マイクロフォーサーズ規格のカメラであれば、原則マイクロフォーサーズ対応のレンズを全て使えます。そしてマイクロフォーサーズは歴史も比較的長く、今もたくさんのレンズが発売されている活発なマウントです。

マイクロフォーサーズにはミラーレスのカメラしかありません。マイクロフォーサーズ対応のカメラは、主にオリンパスとパナソニックが発売しています。

オリンパス

オリンパスは、手ブレ補正がとても強力なメーカーです。暗い所でも手ブレせずに写真が撮れるのは、初心者にとって大きなメリットになります。

オリンパスだと、小さなサイズの Pen が有名です。後日、Pen E-PL8/E-PL9 のオススメページを用意します。

またオリンパスには、マイクロフォーサーズで本格的に撮影をしたい人向けの OM-D というラインナップも用意しており、こちらもオススメです。後日、OM-Dシリーズのオススメページを用意します。

本当はE-M5mk2もオススメなのですが、近日新しくE-M5mk3が登場する噂があるので、その発表を待って比べてから購入を検討するのがよいかと思います。

パナソニック

パナソニックは、Gラインというラインナップでマイクロフォーサーズを出しています。オリンパスに比べて市場シェアは低いですが、低価格で高性能なカメラをたくさん出しています。特にハイエンドモデルのコストパフォーマンスは注目に値します。後日、Lumix G9pro のオススメページを用意します。

APS-Cのカメラ

APS-Cのカメラは、ミラーレスと一眼レフの両方がありますが、オススメするのはミラーレスです。ソニー、富士フイルム、キヤノンがミラーレスAPS-Cカメラを出しています。

ソニー

ソニーのAPS-Cカメラは、「Eマウント」という規格のレンズが使えます。歴史も長くレンズの種類も豊富で、フルサイズ対応のレンズもAPS-Cで使えるのもメリットです。

ソニーはミラーレスの時代を切り開いた先行者であり、その技術は飛び抜けています。特に瞳AFと呼ばれる、人間や動物の瞳に瞬時に自動的にフォーカスを合わせる技術はとても高く評価されております。特にペットを撮りたい時には現段階では他に瞳AFの技術の選択肢がなく、有力候補になるでしょう。つい先日、ペット瞳AF対応しつつボディ手ブレ補正搭載したα6600が発表されました。11月1日発売予定だそうで、後日オススメページを用意します。手ブレ補正はないですが、ペット瞳AF対応機としてα6400もあります。

ソニーは全体的に高価ですが、瞳AFの精度が他の会社に比べて飛び抜けて高いので、動き回る子供の写真を撮る場合などに大きな威力を発揮します。

富士フイルム

富士フイルムは、APS-C用に「Xマウント」という規格を用意しています。こちらも古くから存在するマウントで、多くのレンズラインナップを揃えております。

富士フイルムは、撮った写真にレタッチなどで後処理をしなくても、そのままでとてもキレイに写ることに定評があります。フィルム時代から培ってきた技術により、様々な撮影モードを用意することで「撮って出し」の写真のクオリティを高めています。シャッターを押すだけでキレイな写真が撮れることに力を入れているという点ではとても初心者向きではあるのですが、カメラ単体だけでなく、レンズなども含めたシステム全体を考えるとそこそこ高価になるので注意が必要です。

キヤノン

キヤノンは一眼レフカメラではシェアトップですが、ミラーレスでも存在感を出しております。APS-C用には「EF-Mマウント」と呼ばれるマウントを採用しております。

EF-Mマウントでは EOS Kiss M が一番人気で、売上ランキングでも上位の常連です。すでにキヤノンを愛用していらっしゃる方にとってはマウントアダプターで既存のレンズを使うことも出来て、良い選択肢になり得ると思います。一方でEF-Mマウント対応の交換レンズの数があまり多くなく、レンズの交換が出来るカメラを初めて楽しもう、と思っていらっしゃる方には少し物足りないかもしれません。

再度結論

再度結論を書きますと、現時点で初心者の方にお薦め一眼カメラは、

  • マイクロフォーサーズ
    • オリンパス Pen E-PL8 / E-PL9
    • オリンパス OM-D E-M1 mk2
    • パナソニック Lumix G9 pro
  • APS-C
    • ソニー α6600

です。

しかし、結局のところ、「自分が何を撮りたいか」という対象によってカメラの向き不向きが大きく出てきます。それぞれのメーカーの個人的な印象をいくつか書きましたが、もしその中でピンときたものがあれば、是非カメラ量販店に行って実際に触ってみてください。カメラは、相性も大事です。是非気に入ったカメラを手にして、いろいろな写真をたくさん撮りましょう!

良いカメラライフを!